はじめに
2019年のJ1も最終節を残すのみとなりました。
J1参入へのプレーオフが2試合、天皇杯が準決勝と決勝と、すでにタイトルチームは絞られています。
ルヴァンカップでは川崎フロンターレが優勝、北海道コンサドーレ札幌が準優勝でした。
2017年から増額された分配金や賞金ですが、どのくらい増えたのでしょうか?
順を追って確認していきましょう。
黒船DAZN
2016年に突如、黒船がやってきました。
スカパー!の1強だったJリーグ放映権ですが、DAZN(パフォームグループ)が大型契約で一気に奪い去ったのです。
2017年から10年間の契約が結ばれました。
その時の反応と言うと・・
・ネット回線が耐えられるの?
・テレビで見られるの?
・録画して見直せるの?
・そこまでJリーグは魅力的なの?
・本当に10年も契約は続くの?
といった反応がありましたが、なんとか2年間を乗り切りそうです。。
視聴者が集中する同時刻開催時には不具合が起きたことがありますね。
2019年 J1 33節では別の問題で視聴が出来ないトラブルがありました。
また金J・フライデーナイトJリーグもDAZNとの企画で生まれました。
浦和はACLに伴う金曜開催があると負けることしかないのでやめて頂きたいですが(苦笑)
海外サッカーでもUCLやUELの放映権を取得するなど、かなり積極的で視聴者としてはお得感が増しますね。
好きな時に視聴出来て、ほとんどの試合でハイライトも作られているのが助かります。
私は他のスポーツでもお世話になっていて、見る時間が無く困っているほどです。
賞金と配分金の増額(DAZNマネー!)
それでは本題に。
2016年にDAZN(パフォーム社)と10年間、約2100億円の放映権契約を締結したことにより、2017年より様々なお金の部分が変更となっています。
種類・内容・内訳を見ていきましょう。
配分金は「均等配分金」「理念強化配分金」「降格救済金」「ACLサポート」「賞金」の5つ
全クラブ一律に支払われる「均等配分金」の原資は99.9億円
1クラブあたりではJ1が1.8億円からほぼ倍増となる3.5億円
J2が1億円から1.5億円
J3が1500万から倍増となる3000万円
理念強化配分金は
①日本サッカーの水準向上およびサッカーの普及促進
②若年層からの一貫した選手育成
③フットボール環境整備
④選手や指導者の地域交流および国際交流の推進ならびにスポーツ文化の振興
という目的に照らし、Jリーグ理事会の承認を経て配分金が与えられる。
配分金を受け取れるのはJ1リーグ戦で1〜4位のクラブ。
※2019年より傾斜分配の比率が変更となります。
現行制度では当該シーズンの翌年に最大額が贈られ、以降は大幅に減額される形となっているが、今後はほぼ一定の額が3年間にわたって贈られる形となる。
優勝チームを例に挙げると、現行では翌年10億円、翌々年4億円、3年後1億5000万円となっているが、今後は翌年5億5000万円、翌々年5億円、3年後5億円に。
2位のチームは現行4億円→2億円→1億円から、2億5000万円→2億5000万円→2億円になる。総額はいずれも変更なし。
3位チームには翌年2億円と翌々年1億5000万円が、4位チームには翌年1億8000万円が与えられているが、いずれも変更なし。
※理念強化配分金は選手の獲得や年俸などの人件費に使うことは出来ません
クラブハウスや育成年代への環境整備といった設備投資に使われることを想定しているようです。
「降格救済金」については降格1シーズン目のみ前年度均等配分金の80%を保障する。
例えば、J1からJ2に降格した場合、J1だと3.5億円貰えていた均等配分金が、J2だと1.5億円になってしまうところ、降格初年度は1.3億円の救済金を受けることになり、配分金は2.8億円となる。J2からJ3に降格した場合も同様の措置がとられる。ただし「理念強化配分金」との二重配分は行われず、この場合は金額の多いほうが適用される。
「ACLサポート」の原資は8000万円。
ACL出場クラブに対しての強化費の補助を目的としている。
天皇杯とJ1リーグ戦優勝チームが重複する場合は、4チームに2000万円ずつ均等に配分されるが、重複しない場合は、天皇杯優勝チームが8000万円をまとめてもらうことになる。これは「理念強化配分金」との重複を避けるため。
「賞金」はJ1リーグ年間1位が3億円、同2位が1.2億円、3位が6000万円に決定。
ルヴァン杯の優勝チームには1.5億円、準優勝チームは5000万円、3位の2チームにはそれぞれに2000万円。
富士ゼロックススーパー杯は5000万円。
J2やJ3への割り当ては4250万円と決定
※天皇杯はJFAの管轄ですのでDAZNは関係ありませんが
優勝チームには1.5億円、準優勝チームは5000万円、3位の2チームにはそれぞれに2000万円とルヴァンカップと同じです。
http://www.jfa.jp/match/emperorscup_2019/about.html
海外放映権の行方
電通が2019年10月8日、サッカーJリーグの海外放映権を取得したと発表しました。
中国を除く全世界が対象で、期間は2020年から22年まで。
放映権の取得費用について電通は非公表としている。
・【株式会社電通】
契約期間: 2020~2022シーズン
対象国:日本、中国を除く全世界
権利内容:明治安田生命J1リーグの独占放映権(サブライセンス権含む)
・【China Sports Media Co., Ltd.】
契約期間:2020~2022シーズン
対象国:中国(香港、マカオ、台湾を除く)
権利内容:明治安田生命J1リーグ、明治安田生命J2リーグの独占放映権(サブライセンス権含む)
https://www.jleague.jp/news/article/15638/
スカパー!が保有していた海外放映権は電通へと移りましたね。
この放映権料は非公開ですので、クラブの収入にどのくらい影響があるのかは分かりません。
まとめ
・均等配分金が倍額となった
・賞金が貰えるのはリーグもルヴァンカップも天皇杯も3位まで
・理念強化配分金はリーグ戦の4位までが、(承認を経て)翌年から配分されるが使途は限定される
リーグ戦の比重がかなり重たくなっていますね。
以前は6位までだった賞金も、4位までに絞られ金額も大幅に増えています。
DAZNとの契約があるこの10年は今後のクラブ経営にとても大きく影響してくるはずです。
指導陣やプレーヤーなどの現場に比べて、クラブハウス周りや育成年代への投資は後回しになりがちですが、お金を掛けようと思えば終わりはないですからね。
食育、リカバリー、トレーニング、それらに関わる設備 とピッチから離れた部分も時代とともにどんどんと進化していきます。
そしてそこに投資が出来ているクラブは、選手の獲得や育成年代の集客にプラスになります。
どんな選手も親御さんも良い環境でプレーしたい・させたいと考えるでしょうからね。
浦和レッズは初年度5位、今年は残留ギリギリとつまずきから入ってしまいました…
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